裁断も全部したということにして芯貼りいきます

生地をしっかりさせたい箇所に接着芯を貼ります。
接着芯の主な役割は伸び止めや生地の風合いや形状を保つことです。
襟ぐりまわりや袖まわり、裾、前見ごろや襟全体に貼ったりします。
今回のコートもだいたいそんな感じで貼ってます。



写真は前脇見ごろに全面、接着芯を貼っているところです。
表生地の裏面に接着芯を乗せて
トレーシングペーパーを敷いて空アイロンで押さえます。
工業生産では芯貼り用のプレス機というのがあって
1トンぐらいの圧力で芯を貼ってバキュームで熱を吸い取って
綺麗に貼れるのですが…
接着芯のノリは樹脂で出来ていて
それを溶かして生地側に流すことで接着します。
家庭ではとにかく全体重かけるぐらいの勢いで押し込むしかないです。
昔、これでアイロンのスチームの水貯める所が割れたので
それからは芯貼りの時はタンク外してます 苦笑
トレーシングペーパーを敷くことによってアイロンにノリが付くことを防止します!
敷いてないとアイロンと接着芯がくっついて生地と上手く付いてくれないし
アイロンがめちゃめちゃ汚れて焦げ付いて臭いし
きっとお母さんに怒られます!!苦笑
だから絶対トレペは敷いた方が良いです!百均でも売ってるし!
きっちりと全ての面に貼れる様にアイロンで
押さえる箇所に隙間が出来ないようにしてください。
芯がきっちり表地に接着されていないと
長く着ている間に分離してきて表地にボコつきが出る場合があります。




ぎゅーっと接着したらトレペを剥がして生地を冷やすべく
ウチワでパタパタしましょう〜気休め程度ですけど
冷える時に樹脂が固まるので冷えるまでなるべく生地は動かさないように!
バキュームのアイロン台があればこんなことしなくていいんですけどね…



芯が全面貼れたらパターンを重ねて縮んでないかチェック!
まぁ。。。大体の場合は縮みます 爆
なので本当は全面接着の場合先に表地と接着芯を貼り付けてから
パターンを乗せて裁断したいところなのですが
そうすると接着面積が広くなってしまって
私は綺麗に全面接着する自信が無かったので後からしました。
荒裁ちして接着芯を貼ってから裁断しようかとも思ったのですが
そしたら地の目がよくわからんことになるのでそれも却下しました…
若干縮むけど1mm2mmだったら誤差範囲内だと思うことにします
チェックしたらノッチの切込みを入れます。
ノッチとはパーツ同士と縫い合わせる時に縫いずれない様に入れる印のことです。
生地は伸びたり縮んだりするものなのでノッチが無いと正確には縫えません!
たとえば片方のパーツは縦地の目でもう一つのパーツがバイアス(斜めの地の目)
だった場合、カナリの確立でバイアスの方が伸びています!
そんな時は縦地の目のパーツを基準にしてバイアスの方を
いせ込みながらノッチが合う様に縫わなければなりません。
いせ込むのだけれど出来上がってみるとそれが元の長さになっている筈です、理論上。
私は大体20cm感覚ぐらいで入れてます〜

各パーツに接着芯を貼ったら次は
裾折りと切り躾付けとテープ貼りをします



裾折り。今回は4cm裾を折り返します。
コートだと本当は基本的な縫い代も1.5で裾は5なのですが
これはジャケットっぽいのでジャケットの縫い代付けにしてます。
厚紙を4cmの幅に切ってその分折り返してアイロンすると早く出来ます。
前の会社でこうやってしてました〜1着作るだけならあんまり変わらないけどね…

生地は熱して蒸気を当てることで柔らかくなりますが
固まるのは冷える時なのです!
工業生産ではバキュームのアイロン台で一気に熱を吸い取って固めるために
きっちりとアイロンが当たるのですが家庭ではなかなか難しいです…

そこで!



アイロンを当てたら冷えるまで重めの本などを載せて固定します!
ニッセンカタログかよ!というつっこみはしないでください 笑
何でも良いですよ〜
これでわりときっちりとアイロンできます。
今後縫った後の割りアイロンでも同じようにすれば
縫い代が立ち上がってくるのを防止出来ます

次に前もって貼れる箇所に伸び止めテープを貼っていきます。
今回は3種類の伸び止めテープを使用します
テープの上にもう一種類違う固めのテープを縫い付けてあってほぼ伸びない 端打ちテープ
まぁまぁ伸びない(縦地の目) ストレートテープ
結構伸びる(バイアス地の目) バイアステープ です。
箇所によって使い分けます。

伸び止めテープは実は普通の手芸屋さんではなかなか良いのは売ってません。
だいたい置いているのはアサヒのアイテープというものですが
あれはとても堅いので生地に当たりが出やすく扱いにくいので極力使わないで下さい!
テープも接着芯と同じでよく解らない時は出来るだけ柔らかいものが無難です
大阪だと…なんばのユザワヤとか梅田のタムラで良いのが売ってます
ただ、このテープ…意外に高い!苦笑。700円以上は全部すると思います
高いというか…1巻き単位で売っていることが多いので何十mもあって
よほど使わない限り個人製作ではなかなか消費されません
けど貼るのと貼らないのではやっぱり仕上がりや縫い易さが違うので…
タムラは巻きだったけどユザワヤはもっと少しずつ切り分けて売ってたような気がします!
だいたいクロと白が売ってますけど色々な色の服を作る方は
白を買えば何にでも使えるのでいいと思います
私はだいたい黒い服しか作らないからクロばっかり持ってますけど…



アームホールは絶対に延びて寸法が変わったり形状が変わったり
して欲しくない箇所なので
一番伸びない 端打ちテープ(ペアテープ)を貼ります。



前見頃には襟折れ線より1.5内側にすこし いせ気味にストレートテープ
襟ぐり、ラペル周り、前端、裾にはバイアステープを貼りました
何処にどんなテープを貼るのかは生地やアイテムによって違うし
市販の本を参考にしてください



次は切り躾付けです。も糸という しつけ用の糸で印を付けていきます
主にダーツ先とかですね。ノッチで付けれない箇所にします。
も糸は絡まりやすいし買った時はグルグル巻きの上体なので
端を切って私は3色三つ編みにして保管してます
水色と赤がありますが基本的にはあまり使いません
私は黒い服を作ることが多いからそんなに気にしませんが
薄い色の生地、たとえば白い生地に赤い も糸で印をしてしまうと
も糸の色がアイロンの蒸気などで溶けて生地にうつってしまう可能性があるので
気をつけて。もしどうしても区別するために何色かの色も糸を使いたい場合は
前もって洗濯して色をある程度落としておく必要があるかと思います



こんな感じで二本どりでダーツ先に糸を通します



通して短く残してアイロンの蒸気で糸の繊維を開くと
生地から糸が抜けにくくなって印になります
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