コートの製作経過の連載するかも〜 と書いたら要望してもらえたので連載します。 パターンはもう出来上がって裁断も済んでしまっていたので 写真は芯貼りからしか無いですし まぁ、そんな変わった縫い方とかもしないと思うので 参考にしてもらえるかどうかちょっとわからないのですが 服を作ったことが無い方は ああ、こんなことせなあかんのか〜 とか 思ってもらえて服作りに興味を持ってもらえたら嬉しいなと思います。 私の持ってる情報はなるべく掲載して行こうと思ってるので どんどん盗めるものがあったら盗んでくださいね ●今回のコートについて。 販売物ではありません! ちょっと個人的なことで作ってて自分が着るものでもないです。 デザインも完全オリジナルではなく去年の秋冬の某ブランド様の オートクチュールコレクションの中の一つを参考にして製作しています。 ●製図について。 製図用紙は前にも紹介しましたが http://www.altech.ne.jp/product/665-021.htm これをまとめ買いしています。1枚22円。 ちょっと厚めなのでマスターパターンを抜き出す時に少し写しにくいけど 裁断の時などはしっかりして丈夫なので使いやすいです 今回のコートの製図で難しかった点はとにかく襟!!!! テーラードなんですが襟が物凄く大きくて尚且つ襟折れが 湾曲したデザインだったのでカーブのダーツ取ったりしなきゃならなくて 5回ぐらいトワール組みました 上襟は平面の製図上では予測不可だったので完全ドレーピングで作りました。 縫い代は基本1.2で袖付けや襟付けは1でしました。 表襟や見返しは厚み分や控えで0.3大きく展開したりしたけど… もしかしたら生地が厚いからそれでは間に合わないかもと今更心配してます まぁ…そうなったらアイロンで誤魔化し作戦します!! *用語説明 トワール組み:トワール(シーチングともいう?)という仮縫い用の安い生地で 自分が思った通りの形に製図が出来ているか 製図をトワールに写してシルクピンで止めてチェックすること。 本番の生地となるべく近い質感や厚さのものが良いです。 トワール→ http://item.rakuten.co.jp/cottonplaza/s-1/ シルクピン→ http://item.rakuten.co.jp/yanagiya/rsf19160/ ●生地について。 生地は難波のとらやで買いました。 たぶんウールとポリエステルの混紡生地だったと思います 安めの生地なのですがコート用で暖かいかな〜って思います。 前の縫製の会社ではめちゃめちゃ高いコートをずっと縫ってて もちろんウール100%やカシミア混紡や100%の生地ばかり 触ってたから…あんまり良い生地とは云えないけど 市販の既製服のコートレベルの生地ではあると思います。 余談ですが、ポリエステルなどの化繊混紡の生地には毛玉が出来やすいです。 ウールやカシミアの生地には出来難いのですが これはポリエステルの繊維が切れにくいからだと云われています! ウールやカシミアでも毛玉は出来るけど繊維が弱いので 丸まってしまう前に摩擦で抜けたり切れていくから目立たないらしいです。 ポリエステルだと切れずに生地にくついたままになるので 毛玉だらけになるみたいですよ〜。 裏地はキュプラ100%です。キュプラの裏地は縫いにくいんですが 吸湿性や保温性に優れていて着心地を良くしてくれます。 そもそも裏地は何故付けるのかというと中にきている服とコートのすべりを 良くして脱ぎ着を楽にしたり保温性を高めるためです。 裏地として優れているということはツルツルしていることと直結しているので その分縫いにくくなります裁断も難しいし… オートクチュールのコートやスーツでは裏地にシルクを使います! 流石オートクチュールですね… シルクはご存知のとおり、お蚕さんの繭から出来ていて天然繊維なのですが キュプラはそれに近い繊維構造をしています。 確か植物の繊維か何かから合成されていて半合成繊維だったような気がします… 学生の時に習ったけど曖昧 苦笑 値段もお安くて初心者の方でも縫いやすい裏地はポリエステル100%のものです。 少し硬いし滑りも悪くなりますがその分裁断や縫製は楽になります。 ただ吸湿性がほぼ無いので着心地はあんまり良くないです。 でも、一般的にはポリエステルの方がよく使用されているかもしれません。 接着芯は適当に選んだのですが…もうちょっと柔らかいのでも良かったかなと これも今更後悔気味です 苦笑 どんな接着芯を使えばいいのかよくわからない場合は 柔らかいものを選んだほうが良いと思います その方が自然に仕上がるし… ●裁断について。 私はいつもロータリーカッターで裁断します! ころころカッターにはオルファの黄色いものとクローバーの白いものがありますが 私個人的にはクローバーの方が使いやすいし切れると思いました。ちょっと高いけど… 何故私が裁ちバサミじゃなくころころカッターを使うかというと 裁ちバサミだと正確に製図通りに切れない場合があるからです。 特に私はドレス系の生地を裁断することが多いのでハサミだと すべってずれてしまいます… その点、ころころカッターだと上から直角に見下ろして切れるので誤差が少ないし ずれることも防止できます。 ただ使い慣れないと上手く切れないみたいで学生の時にクラスメイトが 1時間で3回ぐらい指を切ってました刃の切れ味が凄いのです… でも、刃は消耗品です…大体1着か2着ぐらい分裁断すると切れ味が鈍ってきます。 そんな時はケチらずに新しい刃を買うほうがいいです 苦笑 もう一つ、このカッターを使うには必ずカッターマットが必要になります。 私はこちらの【TK】特大カッターボード Mを2枚つなげて使っています。 クローバーのロータリーカッターも同じページに掲載されてますね。 http://www.rakuten.co.jp/komadori/1787995/1780068/1781044/ 私の作る服は長いことが多いから1枚だけだと一気に切れないんですよね… 動かせば動かすだけ裁断の時にずれやすくなるのでなるべく一気に切りたいところです。 次からは写真つきで芯貼りの説明です〜。 |